等価交換・前編

 

 

「💫アラディア💫✨

トスカーナの森の城に行きなさい。

 

貴方にタロットカードを教える女性を

呼びましたので、習って来なさい。」

 

💫私の母…💫

月の女神ディアナは私を呼び出すなり

いきなり言ったので驚いて✨

 

「え?森のお城にタロットカードの先生が

いらっしゃるのですか?」

 

私は嬉しくて聞き返してしまいました!

 

「アラディアがあの森の城が好きなのは

ずっと前から知っていましたよ。」

 

 

そう言って✨🌹✨

 

💫母は優しく💫

 

✨微笑みました✨🌹

 

 

 

 

そして

 

「これをその先生に渡して下さい。」

 

そう言って小さな箱を差し出しました。

 

 

私は箱を受け取りながら…

 

「これは…何が入っているのですか?」

 

何か💫不思議な✨予感がして聞きました。

 

 

「等価交換ですよ。」

 

母は静かだけど強い口調で答えました。

 

…でも言葉の意味を知らなかったので

 

「等価交換?」

 

母の言葉を繰返しました。

 

 

「そう…

 

等価交換です。

 

等価交換の本当の意味も

一緒に習いに行きなさい。」

 

 

その言葉の意味も習う…?

 

私の心の何かが衝動の様な物を感じ…

 

「わかりました!

直ぐに準備をして行ってまいります!」

 

 

私はこれから起こる事が

 

楽しみで🎶✨🎶

 

待ちきれなくて

 

身も心も走り出して

いました!!

 

 

走り出した私の背中に向かって母は

 

「アラディア!

私も楽しみに待ってます!」

 

母の声に何故か嬉しさが込み上げて来て…

 

「お母様!ありがとうございます!」

 

一瞬だけ振り返って母の顔を視た時に、

少し淋しそうだけれど不安そうな笑顔

と感じました。

 

なのに何故「私も楽しみに待ってる」と…

母は言ったのか…

その時は知る由も無かったのです。

 

 

 

🙌💫💫💫天界から💫💫💫🙌

 

 

🌏この星に🌏💫✨降りる時は✨

💫🙌🙌💫ただ念じるだけで💫🙌💫

思う場所に行く事が出来るのですが…🐥

 

久し振りに森に行くので🌿

城には直接行かずに森の中に降りました。

 

 

 

 

✨🙌🌿🌿🌿🙌✨

 

精霊たちの歓迎を

受けながら✨

 

💫🙌🌿🌿🌿🙌💫

 

 

 

とても幸せな✨気持ちになっていました✨

 

「やっぱりこの森は大好き~✨🌿✨」

 

 

 

 

そして…✨

 

目的の城を見付け…

 

 

赤い炎の様な髪の女性が

こちらに向かって歩いて来くのに

気付きました✨

 

母と同じ位の年齢の女性に見えました。

(母は年齢不詳ですが…)

 

 

私は走り寄り…

 

「初めまして!アラディアです!」

 

私は💫初めてではない💫…と、何故か

判っていながら挨拶してしまいました。

 

 

微笑みながら…✨

 

「アラディア様、お待ちしてました。」

 

静かな美しい声で迎えてくれました。

 

 

黒では無いとても深くて濃い青い色で✨

飾り気の無いシンプルなドレスを着て✨

 

とても長い髪は赤い炎の様な色で美しく

見とれてしまいました✨🔥✨

 

 

「あの…髪が…

とても美しい髪の色ですね!」

 

✨あ…💫

この炎の様な色の髪…覚えているわ…!🔥

 

でも、記憶の中では少女でした✨

 

 

気が付くといつの間にか現れた

二人の若い女性が…

 

「アラディア様、

お荷物をお持ち致します。」と

微笑みながら言って手を差し出しました。

 

 

そして

 

「アラディア様、お入り下さい。

お話は部屋の中でしましょう。」

 

赤い炎の色の女性は招いて下さいました。

 

 

その女性の

後ろを

歩きながら…

 

 

…少しづつ💫

 

…少しづつ💫

 

 

 

思い出して涙が溢れる…✨

 

自分の記憶の言霊が溢れる…✨💫

 

 

「 … Fiamma ?」✨💫✨

 

 

女性は振り返り…

 

「…そうです!

 

フィアーマですわ…!

 

アラディア様…✨本当に嬉しいです。

思い出して頂けたのですね!」

 

 

その目の前の美しい女性は私の記憶に

残っていた少女だったのです。

 

その少女はこの森に暫く住んでいて

森の精霊たちや花の妖精たちと

一緒に遊びました✨

 

 

でも…

いつの間にか旅に出てしまった…。

 

私は記憶を辿ろうとしてましたが…

何故、急に旅に出てしまったのか。

 

その理由は記憶には残って無く…

悲しくて淋しかった心の記憶だけでした。

 

少女には精霊たちも妖精たちも視えていて

普通の人間とは違っていました…。

 

 

 

気が付くとドアを空けて

 

「この部屋にお入り下さいませ✨」

 

フィアーマは振り返り私の顔を見ると

微笑みました✨💫

 

 

部屋の中はとても静かで

 

落ち着いた基調の

綺麗な家具などが揃っていました。

 

 

 

通された部屋の椅子に座ると

 

フィアーマは微笑みながら✨

 

私の瞳を覗き込み…

ゆっくりと私の疑問に答えてくれました。

 

「アラディア様、

 

私は人間なので年をとります。

ディアナ様たちの様に思った年齢で止まり

永遠の命では無いのです。

 

だから、アラディア様はそのままでも

何年も過ぎていて今の私の姿なのです。」

 

私は頷き…

 

「人間の寿命…知っています。

年を取り…いずれ…命の終わりが有るのも。

 

フィアーマは人間なのですね?

いつか…

いつか死ぬのですね…。」

 

私は複雑な気持ちで言いました。

 

 

「そうです。

生きていて年月が過ぎると

命が終わる時…つまり死が訪れる。

 

だからこそ、

約束事が沢山有るのです。」

 

 

私は『約束』と言う言葉で思い出して

 

「フィアーマさん!

母から貴方に渡すようにと

これを預かって来ました!」

 

ディアナから預かった箱を渡しました。

 

フィアーマは少しだけ緊張した表情になり

 

「ありがとうございます。」

 

静かにフィアーマは箱を受けとると

ゆっくり蓋を空けて

 

はっ…としたような瞳から涙が溢れ…✨

 

中を暫く見つめていました。

 

そして静かに…

大切そうに✨

中の物を取り出しました。

 

私はフィアーマが取り出した物を視て

とても驚きました!

 

 

それは…お母様のいつも身に付けていた

アクアマリンと真珠の指輪だったのです。

 

 

そう…

 

💫私の記憶の底に在る程昔から

母がいつも身に付けていた指輪でした…💫

 

 

 

静かにフィアーマは私の方に視線を向けて

 

「アラディア様…

 

私がディアナ様のこの指輪を

受け取るならば…

 

そのディアナ様の願いに応える

相応な覚悟が必要ですね…!」

 

フィアーマの瞳は

強い視線に変わっていました✨✨✨

 

 

私はここに来た目的は単に

タロットカードを習う事ではなく…

 

もっと私の世界が変わってしまう程の事が

起こるのだと感じていました💫🌹

 

それでも…凄く楽しみで✨

期待に心は高鳴っていました……💫🙌💫

 

 

 

 

 

 

2017,6,20