15の数字は何となく魅力的で個人的には
好きなのですが…
でも…
タロットで『15』は『悪魔』のカードです
こちらを睨み付けるような悪魔の顔や
今までに無く真っ黒で闇の様な背景…。
鎖に繋がれた二人の男女など不気味で
恐いインパクトが有りますね
でもよく見るとこの構図は『恋人たち』と
酷似してます。
『恋人たち』は『6』の数字が割り当てられ
『悪魔』では『15』の数字が付いてます。
つまり『1+5=6』と還元しているのです。
天使と悪魔が入れ替わってますね
そして二人の男女には悪魔のような
角や尻尾が生えてしまってます
首には鎖で繋がれていて悪魔にコントロール
されてるかの様です
でも…
二人の表情は苦しそうでも不快感も無く
自らこの状況に居たいかにみえますね…
実は『悪魔』には『恋人たち』のカードが
堕落という変化を描いているのです。
二人の男女の首に掛かっている鎖も
緩くて決して抵抗できないような強さ
ではないようですね
むしろ、
本人が逃れる事を積極的に望まないような
ぬるま湯状態、そこから抜けたくても
抜ける事が出来ない人間の惰性、怠け心、
慢心などを物語っています。
悪魔の姿をした獣に支配される人間たち…
つまり、
タロットの世界において動物は人間の本能を
表してます。
本来はコントロールするべき本能の鎖に…
逆にコントロールされている情況ですね
しかし、決してこの事が悪いとだけ
『悪魔』のカードは示している訳では
有りません。
『悪魔』の翼は白いのは何故でしょうか
生きる為の本能・リビドーに等しく、
生き物として根底に持っているもので、
持たぬべきもので有るとか無いとかの
問題では有りません
白はタロット解釈では
白は純粋さや神聖であるという意味です
心に在る悪魔は純粋とも言えるのですね
好ましいカタチに昇華させる為にも有る
カードなのです
このウェイト・ライダー版に描かれている
悪魔はバフォメットです
想像上の魔神・有角神で、魔女の集会の
サバトで崇拝の対象とされる半身獣の
魔王レオナルドも彷彿とさせてます。
右手を上げたジェスチャーは
『魔術師』と『法王』に似ていますね。
『悪魔』と『魔術師』を見比べると
『魔術師』は右手のワンドを天に向けて
霊的な力を地上に引き下ろしています
『悪魔』では左手の松明を地上に向けられ
それは物質を超えた物など存在しないと
誇示してます
悪魔の台座は『皇帝』の石の王座と同じく
現実主義や物質主義を象徴しています。
物質主義者の個人的な欲望は、
金銭な事・性的な事・権力への欲望のみを
追求するようになっていくのです。
目の前の物しか信じない…
金銭や物などへの過度な執着の本質とは
感覚の世界を超えたところには何も無い
という信念を意味してるのです。
次に『悪魔』と『法王』を比べてみます。
右手を上げているカードは幾つか有りますが
何も持たずに掌のジェスチャーで示して
いるのは『法王』と『悪魔』だけです。
法王の指は2本は上に向けられて
宇宙が自分の目の前にみえるもの以上で
あると示してます
下に向けて折られた2本は
私たちの目にはみえてないけれど
人生にはもっと大切なものがあると
示しているのです
そして…
それと同時にその2本の指は
深い知識へと至る道は
まだ閉ざされているのだと
仄めかしています。
『法王』のカードの解釈に道徳・モラルが
有りますね。
そして振り当てられた数字の『5』は
ペンタクルで人間そのものを表してました
『悪魔』の額の上にペンタクルの逆さの
印が浮かんでいます。
これは黒魔術の象徴ですが
ペンタクルには色々な意味が有ります。
その色々有る意味のひとつとして
『法王』でのペンタクルが最初から逆さで
描かれている『悪魔』は『法王』の
逆位置の解釈になり、
モラルを欠いた状態や無秩序な
状態を表しています
そして
『法王』の逆位置の落ち着かない状態は
『悪魔』の最初から逆さのペンタクルでは
無秩序が落ち着いてしまうのです。
『悪魔』の掌のジェスチャーに戻りますが
占星術の土星の象徴文字が書かれてます。
土星は『サタン』と呼ばれ悪魔を表す
言葉でも有りますね
土星は試練を表す天体なので不運に
結び付ける事が多いのですね
限界や制限される、弱点なども表します。
土星は占星術の山羊座のルーラーです。
『悪魔』の対応天体が土星で有り
対応星座は山羊座です。
山羊座にはこんなギリシア神話が有ります
元々、この悪魔は羊飼いや羊を監督する
牧神パンで、上半身は人間で山羊の角を
持っていていました
とても女好きで水の妖精を追いかけて
いた怪獣だったのですが…
ある時、悪魔デュフォンに追われ、
慌てて魚に変身して逃げようとしましたが
誤って川に漬かっていた半身が魚に、
上半身は山羊になってしまいました…と
それはカードに描かれている悪魔にも
似ていますね
山羊座の性格は現実的で物質主義な
ところが有ります。
そして、あらゆることにおける『冬』の
側面を象徴する時期、受容と忍耐を示します
カードの『悪魔』の解釈では
快楽・快楽主義になる…
甘い考えや、甘い期待を抱く
乱れた状態や荒廃した情況
反社会的、悪意のある言動
傲慢になる、欲張りになる
執着する、腐れ縁、惰性や怠慢…
良いとは言えない意味ですが、
恋愛に置いてはセクシャルな魅力がある
恋人として、異性としての魅力がある
人気運やギャンブル運が強い
運が強い、運が有るなどの解釈が有ります
逆位置の解釈です
更正出来る兆しがみえる
仕切り直し、我に返る
解放される、克服する、踏ん切りが付く
純粋な気持ち
新たなスタート、新たな気持ち…
この「新たなスタート」の解釈は
『死神』と似ていますが
『悪魔』では心の中での気付きからの
新たな気持ちでのスタートに近いですね
『死神』では環境や状況が変わっての
新たなスタートを切れるになります
占うジャンルにもよりますが、
逆位置では良い感じになると
解釈出来ますね~
『恋人たち』のカードの逆位置と
『悪魔』の正位置は似ていますが、
この2枚のカードの違いは何だと
思いますか
先ずは、『恋人たち』のカードは
対応天体は水星で
対応星座は双子座です
一方、『悪魔』では
対応天体は土星で
対応星座は山羊座です
星座も天体も実は真逆の意味です
簡単にいえば水星も双子座も
早くて軽いイメージですが
土星と山羊座は
遅くて重いイメージなのです
カードの解釈として
恋愛でも何かの出来事や感情において
『恋人たち』が出て来た場合は
早いスパンで軽めの感じと解釈して
『悪魔』が出て来た場合は
しつこくて重~い感じと解釈しましょう
『悪魔』のカードには
恐いというより…
越えるべき課題を与えて貰ったという
印象ですが如何でしょうか
『節制』という
天使として生まれ変わり
完全なるバランスに到達した後に…
何故『悪魔』というカードが
15番目に出て来たのでしょう…
そう…
サタン(ルシファー)は堕天使ですね…
…人は何かに到達しても
悪魔のように
慢心してしまう…
つい…
油断して間違いを犯すのです
欲張ってしまい
折角手に入れた幸せさえ
自分の弱い心で壊しているものです
物質主義とは
もっとも強力な幻想です
物質や手に触れられる物は
制限された狭い世界です。
失ってしまったら終わりですね
カタチ有る物はいつか滅びるのです
形や物だけを信じる
見える物だけしか
大事に出来ないのは…
不幸へと向かっている事に
気付くべきです
物質主義が強力な幻想の意味を
皆さまなら…
お解りですよね…
そして…
内なる『悪魔』の次には…
天なる試練と呼ばれるカードの
登場です
それにしても
悪魔は本当に…
コントロールが大変ですね…
9ヶ月掛かりましたわ…
2019,3,22